妊婦さんとご家族へ伝えたい大切なこと

4. 梅毒(ばいどく)

■どのような病気ですか?
・トレポレーマという細菌が、性的な接触や体液、血液などを介して感染します。
・感染してから約3週間で感染が起きた部位のしこりや、股の付け根の部分(そけい部)のリンパ節の腫れなどの症状がでます。その後3か月から数年で全身性の皮膚の多様な症状や脱毛などが起こることがあります。心臓や脳などの臓器に異常が生じ、死に至ることもあります。
・世界中で発症があり、日本でも特に若い年代の男女での感染増加が指摘されています。
・ペニシリン系の抗菌薬が効果を発揮します。

■妊婦健診で行われるのはどのような検査ですか?
・血液検査の中で、複数の検査(STS法とTPHA法(またはFTA-ABS法))を組み合わせて、現在梅毒に感染している可能性があるかを調べます。

■もしも結果に異常があった場合は、どうなりますか?
・胎盤を通じて、赤ちゃんに感染する危険があります。早期の梅毒なら50%以上、無症状でも35%は赤ちゃんに感染する可能性があります。赤ちゃんに感染すると目や耳、肝臓などに障害がでる先天梅毒になる恐れがあります。
・そのため梅毒の感染があると診断された場合には、STS法抗体価の推移をみながらペニシリン系抗菌薬による治療が早期に開始されます。
・早期に治療を開始できれば赤ちゃんへの感染は98%予防できると言われています。その場合も分娩まで定期的に抗体価の検査と超音波検査を受ける必要があります。
・妊娠中の治療となった場合、パートナーの検査(必要であれば治療)が必須です。

■出産後に気をつけることはありますか?
・赤ちゃんが梅毒に感染していないか、出産後に詳しい検査が必要です。定期的なフォローアップも必要です。
・お母さんも、治療が終了し完全に治癒した状態になるまでは、内科への通院を継続してください。
・パートナーも完治していることを確認しましょう。

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