妊婦さんとご家族へ伝えたい大切なこと

1. B型肝炎

■どのような病気ですか?
・B型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を通じて感染することによって起きる肝臓の病気です。
・生涯にわたり感染が持続する場合(キャリアと呼びます)、肝硬変や肝臓がんの原因となることもあります。
・出産時あるいは乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染することがあるので、お母さんもお子さんも注意が必要です。

■妊婦健診で行われるのはどのような検査ですか?
・血液検査の中でHBs抗原の検査を行い、陽性か陰性かで判定されます。

■もしも結果に異常があった場合は、どうなりますか?
・HBs抗原が陽性の場合には、HBe抗原やHBe抗体などの詳しい検査を行い、母子感染のリスクを評価します。お母さんのHBe抗原が陽性の場合、赤ちゃんに予防対策を行わないと感染率が80~90%と大変に高いことが知られています。
・B型肝炎の詳しい検査の結果によっては、妊娠中にお母さんの治療が開始されることもあります。
・HBs抗原が陽性のお母さんから生まれた赤ちゃんは、全員が「B型肝炎母子予防対策」の対象となりますので、産科や小児科の先生から詳しいお話を聞いて下さい。
・きちんと「B型肝炎母子予防対策」を行えば、授乳を制限する必要はありません。

■出産後に気をつけることはありますか?
・HBs抗原が陽性の赤ちゃんには、決められたスケジュールでヒト血漿製剤のHB免疫グロブリンとワクチン接種や定期的な血液検査が行われます。スケジュール通りに予防対策を行うことが重要です。
・出産した病院や乳児健診の時に、退院後のご家族と生活についての一般的な指導を受けましょう。
・お母さんは何も症状がなくても定期的に内科で肝臓の検査を受けましょう。状況によって自治体からの検査や治療の費用補助がでることもあるので、かかりつけの医師や自治体の関係者に相談してください。
・現在はHBs抗原が陰性のお母さんから生まれた赤ちゃんも定期接種として1歳になるまで3回のワクチン接種を受けることができます。

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