妊婦さんとご家族へ伝えたい大切なこと

3. 風疹(ふうしん)

■どのような病気ですか?
・風疹は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を起こすウイルスによる病気です。症状がほとんどない場合から重症例まで、症状は様々です。
・妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群(眼・心臓・聴覚などの障害)を発症する可能性があります。
・男女ともがワクチンを受けて、まず国として風疹の流行を抑えることが重要ですが、日本ではまだ流行が起きることがあり、2019年にも4人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが出生したと報告されています。
・妊娠中は、風疹のワクチンを接種することはできません。

■妊婦健診で行われるのはどのような検査ですか?
・血液検査の中で風疹抗体価(多くの施設ではHI法)を調べます。結果は抗体価の数字として報告されます。

■もしも結果に異常があった場合は、どうなりますか?
・抗体価がHI法で16倍以下の場合には、妊娠20週頃までは人混みを避けるなど感染しないよう注意し、出産後にワクチン接種が奨められています。
・パートナーや同居される家族の抗体価が低い場合、ご家族全員にかかりつけ医でのワクチン接種をお奨めします。
・抗体価がHI法で256倍以上の場合は、再検査になることがありますが、実際に妊娠中に感染した可能性は低いので、あわてずに再検査の結果を待ってください。

■出産後に気をつけることはありますか?
・抗体価が低かった場合は、出産した施設で入院中に風疹ワクチン(またはMR(麻疹・風疹)混合ワクチン)接種を奨められる場合があると思います。できれば接種をしてから退院した方がよいですが、入院中に接種されなかった場合には、退院後早めにかかりつけ医のところで接種してください。お住いの自治体によっては助成金などの制度が利用できることがあります。過去に接種のはっきりとした記録が2回ある場合は、3回4回と受け続ける必要はないかもしれません。かかりつけ医と相談してください。
・お子さんは、MR(麻疹・風疹)混合ワクチンを1歳時と年長時(6歳になる年度)に受けましょう。
・赤ちゃんに先天性風疹症候群の疑いがある場合には、専門的な検査とフォローアップが必要です。

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