妊婦さんとご家族へ伝えたい大切なこと

7. HIV(ヒト免疫不全ウイルス)

■どのような病気ですか?
・HIVは、人の体をさまざまな細菌・ウイルスなどの病原体から守る免疫機能をつかさどっているリンパ球やマクロファージなどに感染するウイルスです。HIV1型とHIV2型があります。
・HIVの感染経路としては、性交渉による体液や血液を介する感染、母子感染(胎内、産道、母乳)が知られています。しかし、唾液、涙、尿などの体液では他の人には感染しません。
・免疫細胞の中でHIVが増殖し、免疫機能が極端に低下すると、健康な時には問題にならない弱い菌やウイルスによる感染症を発症することがあります。病気を発症してしまった状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼びます。
・現在HIV感染を予防するワクチンや、完全にウイルスを排除する薬はありませんが、ウイルスの増殖を抑える薬剤を長期間服用することで、長期にわたって発症を抑えることができるようになりました。

■妊婦健診で行われるのはどのような検査ですか?
・血液検査で、HIV1型とHIV2型のスクリーニングを行います。感染していないのに陽性になること(偽陽性といいます)もあります。陽性になっても9割以上の確率で感染はないので、過度に心配せずに下記の確認検査(精密検査)を受けましょう。

■もしも結果に異常があった場合は、どうなりますか?
・スクリーニングで陽性となった場合は、血液検査での精密検査(ウェスタンブロット法と核酸増幅法)が必要になります。
・もしもHIV感染が判明したら、妊娠中からHIVの治療を開始することで母子感染率は減少します。
・分娩方法としては、日本では選択的帝王切開術が勧められ、産後はミルクによる哺育が推奨されています。
・生まれた赤ちゃんにも、母子感染の予防のため抗ウイルス薬が一定期間(6週間程度)投与します。

■出産後に気をつけることはありますか?
・お母さんは、専門病院での治療を継続してください。
・赤ちゃんも小児科の医師と相談しながら、必要な場合には検査を行います。

一覧へ戻る